以前、日本一長い地下道として、日経の2011年の記事を基に、大手町駅から八重洲方面を経て東銀座駅に至るルートをご紹介しました。
しかし、目ざといかたなら当然疑問に思うでしょう。13年前の記事を参考にしても、古い建物は取り壊されているかもしれませんし、再開発で新しい地下道が出来ているかもしれません。
ならばどのような経路を最長としているのか、今でも最長なのか改めて調べましょう!
記事元の例に出ている他の地下道の経路も比較して憶測を立ててみました。
おそらく日本一長い地下道となるための条件は以下の3つです。
- 主要都市の地下街の通路である
- 不特定多数の人が歩行できる通路である
- 経路は直線状の道を二度経由はしない
3番目に関しては若干怪しいところもありますが、地下道において2kmを超えるのは、
- 大手町・有楽町・東銀座
- 梅田
- 新宿
- 札幌
の4箇所。
その中で唯一4kmに至ったのは、大手町から八重洲を経て東銀座に至るルートでした。
そして、まさかの大阪梅田がなんばを抜いての大躍進です!
もっとも記事が出されたころから「大阪2011年問題」と呼ばれるほど大規模な商業施設の開業が重なっています。
ランキングを覆す程の変貌を遂げた地下道、一体どれほど大きくなったのでしょうか。
梅田ダンジョンを探索する
というわけで、JR大阪駅の「うめきた地下口」にやってきました。
<うめきた地下口>
ちなみにここまでは、2023年に新設された大阪駅構内のB2F連絡通路を通ってきました。
顔認証改札は2025年に向けて実証実験中です。
一般化する日は来るのでしょうか。
変わり続ける梅田ダンジョン
梅田ダンジョンの云われ
では、進んでいきます!
まずは、「グランフロント大阪」を通り「ノースゲートビルディング」を目指していきます。
ちなみに1番出口は封鎖されていました。
梅田ダンジョンをダンジョンたらしめる理由の一つ昨日まで通れた道が今日は工事中で通れなくなってると言うやつでしょうか。
再開発や地盤沈下の為に、工事が頻繁していたらしいですが、現在はうめきた2期開発の影響が出ているのでしょう。
そう言えば、改札出た左手もシャッターが降りていました。更に拡大するのでしょうか。
しばらく進むと、左手に「うめきた広場」の水階段がり、さらに進むと右側にも水景と階段があります。
<うめきた広場の水階段>
うめきた周辺は水田や、堂島川と接続する運河の運用など、水との関わりが大きかったことから、空間デザインに水景を大きく取り入れたのでしょう。
梅田の地名の由来は、湿地を埋め立てて田んぼにしたから埋田、転じて梅田になったという話もありますし!
<うめきた広場地下の水景と地上階段>
水景のある階段の角で曲がってルクアのある「ノースゲートビルディング」に入っていきます。
正面突き当りは「ルクア イーレ」の店舗入り口です。
<ルクアイーレの店舗入り口>
左右のエスカレーターを上がればJR大阪駅中央コンコースと接続する暁の広場・JR大阪駅の中央コンコースに上がれます。
「ルクアイーレ」の店舗入り口を入らず左に曲がり、「ルクア」の通路に入っていきます。
<ルクア通路>
茶屋町方面にしばらく直進です。
2011年までは新阪急ホテルまでが最長だった
突き当たりを曲がると右手に御堂筋線の北口改札が現れるので、改札沿いに右に曲がって「阪急三番街南館」を進んで行きます。
<御堂筋線の北口改札>
「阪急三番街南館」に入ってすぐ、左手に「大阪新阪急ホテル」の入り口があります。
日経の記事の最長地下道は旧堂島ホテルから梅田駅を通り、このホテル内まででした。
<大阪新阪急ホテル>
ノースゲートビルディングが完成開業したのが2011年の5月4日なので、記事の公開にはぎりぎり間に合わなかったのでしょうか。
さらに「阪急三番街南館」を進んでいくと、左手には阪急電車乗り場へ上る大きな階段があり、正面突き当りには「ホワイティうめだ・プチシャン」に接続する下り階段が現れます。
<阪急電車乗り場への階段>
<阪急三番街南館B2F下り階段>
階段を下り、右に曲がって「東梅田駅」を目指します。
<ホワイティうめだ・プチシャン>
ホワイティうめだを進みサニーテラスに入ると、左にビルの上の観覧車で有名な「HEP FIVE」の連絡口があります。
非常に興味を惹かれますが、後で寄ることにして、ノースモールへ直進していきます。
<HEP FIVE連絡口>
ノースモールを抜けてセンターモールにやって来ました。
<センターモール通路>
雑踏の中、センターモールをさらに直進・やや右に進むと「谷町線(東梅田駅)」の通路が現れます。
<谷町線地下通路>
谷町線の通路を進んでいきます。
突き当りまで進むと右手に⑧⑨の出口案内と上り階段があり、階段を上がっていくと、⑧出口がなぜか二つ。
<⑧出口>
左の扉を選ぶと外に出てしまいますので、ここは右を選びます。
今はまだ梅田ダンジョンを抜ける時ではありませんから。
一転静かな梅田ダンジョンの最深部
直進して「大阪駅前第4ビル」「大阪駅前第3ビル」へと進み、突き当ったら、斜め左に曲がって、「梅田新道横断地下道」を下っていきます。
<梅田新道横断地下道(中之島方面)>
梅田新道横断地下道内を直進すると、7本の国道が交差する「梅田新道交差点」に出るのですが……国道1号線の終点と国道2号線の起点で、しかも日本で唯一、四方向とも国道の起点終点になる交差点なのですが……
空気だけ吸って「曽根崎地下歩道」へと入っていきます。
<曽根崎地下歩道>
「曽根崎地下歩道」「そねちか」とも呼ばれる国道2号線地下を利用した地下歩道です。
階段を降りてしばらく進むと広い空間に出ます。
空間内にはこの辺り一帯の模型がありました。
<曽根崎ジオフロント案内板>
案内板によると、この曽根崎地下歩道の区画は「曽根崎ジオフロント」とも言い、1Fが国道2号線、BF1桜橋駐車場、BF2曽根崎地下歩道、BF3駅舎機械室、BF4共同溝、BF5「JR東西線の駅舎(JR北新地駅)」を要する巨大施設。
共同溝とは、水道管やガス、電気、通信ケーブルなどを集約する共同整備溝のこと。
人は少ないですが、なかなか激アツなスポットです。
この曽根崎ジオフロントについて、
『大阪駅の歴史』(平成15年4月24日発行・編著 大阪ターミナルビル株式会社 駅誌編集委員会)によれば、
JR東西線は片町線京橋駅と福知山線尼崎駅を結ぶ延長12.3kmで、構想段階から通称片福線と呼ばれており、平成9年3月8日に開業した。(p.140)
この片福線は、既設の地下鉄や淀川をはじめ3大河川と交差することから、従来の大阪地下鉄に比べてかなり深い地下鉄道となる。この鉄道建設で生み出される大きな地下空間を積極的・多目的に利用するため、新・大阪駅(現北新地駅)付近は国道1号・2号下で共同溝や曽根崎ジオフロントが建設された。(p.143)
北新地駅の開業は、梅田地区における新駅としては昭和42年開業の地下鉄谷町線東梅田駅以来、30年ぶりとなる。(p.144)
とのこと。
この広い空間、ただの地下道じゃなくてそれなりに苦労した結果だったんですね。
さて、そんな曽根崎ジオフロントを「JR北新地駅」に沿って突き当たりまで進んで行きます。
<JR北新地駅>
突き当たりまで来ました。
そういえば、日経の記事では曽根崎地下道について触れられていませんでした。
通っていないのかな?
左は「ドージマ地下センター」、右は「地下鉄西梅田駅」
2024年の最長ルートはここから「地下鉄西梅田駅」に行って「オオサカ ガーデンシティ」を通るルートを想定していたのですが、もしかすると前書きで語った"3.経路は直線状の道を二度経由はしない"が引っ掛かったのかも。
ならば「ドージマ地下センター」ルートも見ていきましょう。
ドージマ地下センタールート
と言うわけで、ドージマ地下センターを突き当りまで進んでいきます。
突き当たりの天使の広場には、堂島歴史地図のパネルがありました。
<堂島歴史地図>
曽根崎は元は岬で川に転じ、明治42年に埋められられ、それに伴って堂島は陸続きになったということです。
地上への出口はc93ではなくその奥の紀陽ビルへ向かいます。
<c93出口>
階段を上っていくと……
ドージマ地下センタールートの終点到着です!
<紀陽ビル出口>
ここまでおよそ2kmの道のりでした。
オオサカ ガーデンシティルート
分岐点まで戻ってきました。
今度は右に進み、西梅田駅の改札などをみつつ進んでいきます。
北改札を過ぎると、階段があり、階段を上がって「オオサカ ガーデンシティ」へ。
<オオサカ ガーデンシティ>
地下道なのに立派な植栽……思わず本物かどうか寄って確かめてしまいました。※本物です
こちらの終点は6-1番。
突き当りまで進んで案内に従って進んでいきます。
<6-1出口>
パシフィックマークス・西梅田公園に隣接する出入口に到着しました!!
こちらは2.6kmほどの道のりでした。
通ってきた通路はこちら。
思ったより迷いませんでした。
複雑なディアモールを避けたからかな?折角なので帰りはディアモールに挑戦していこうと思います。
P.S.「HEP FIVE」は寄り忘れました。