JR新宿駅新南口にやってきました!
<Suicaのペンギン広場>
今回の目的は、新宿の地下道!
甲州街道の宿場町として江戸時代に整備された"新しい宿場町"だから新宿。随分安直なネーミングです。きっとその当時は数百年後に都庁が置かれ、これほどに入り組み、乗降客数世界一の街になるとは想像もしなかったことでしょう。
近年に入ってから凄まじい開発が進められたことで、カオスな一帯となってしまった、この魔境の地で、地下だけを通ってどれほど移動できるのか、探索していきます!
テラスから地上に潜る
「JR新宿駅新南口」から起点までは、地下道にも劣らない広大なテラスを通っていきます。
起点となる「新宿高島屋南館」はJR新宿駅からよりJR代々木駅の間にあり、JR新宿駅の中央線・総武線・山手線ホームが北側に寄っている(埼京線と湘南新宿ラインが南に外れているとも言える)ため、中央線・総武線・山手線ユーザーであれば、JR新宿駅からよりJR代々木駅スタートのほうがアクセスがいいかもしれません。
JR代々木駅からの場合は東口を出て、地上を線路沿いに北へ進んでいきます。
ニトリの入っている「新宿高島屋南館」についたら、入り口脇のエレベーターで地下1階に降りていきます。
上階行き待ちの人は何名かいましたが、地下行きの人間は私だけでした。
<新宿高島屋の南館>
地下1階に降りると南館側に店舗は無く、従業員エリアの面持ちの連絡通路があります。
<新宿高島屋の連絡通路>
そりゃあ、他にお客さんもいないはずです。
では、新宿の地下道巡りをスタートしていきます。
新宿の地下道最長ルートを歩く
2024年7月 時点の新宿の最長ルートは「Google マップ」と実地調査の結果、
新宿高島屋南館→新宿三丁目駅→新宿センタービル→西新宿駅→都庁前駅→新宿中央公園のおよそ2.8kmのルートを最長としました。
東京メトロ丸の内線西新宿駅と都営地下鉄新宿西口駅の地下道を繋ぐ計画があるらしいので、それが完成するまでの最長経路図です。
賑わう地下道
前置きはさておき、地下道を進んでいきましょう。
連絡通路を通り、高島屋の本館へと進んでいきます。
高島屋の本館に入ると食料品街ということで一気に人通りが多くなります。
目指すのは高島屋の「地下鉄口」です。
<新宿高島屋地下鉄口>
「地下鉄口」のエスカレーターを降りたら、新宿三丁目駅を目指し、地下道を進んでいきます。
途中、甲州街道方面に地下通路が伸びており、地図上では一見つながっているようにも見えますが、つながりきってはおらず、新宿駅の線路を超えることはできません。
副都心線横までやってくると、壁に内藤新宿の様子が書かれていました。
内藤新宿は20年で廃止された伝説の宿場町。
内藤さんの新宿で内藤新宿です。それ以前は東新宿は牛込郷(うしごめ)と呼ばれていたらしいです。
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/rekihaku/exhibition-room/104/
『常設展示のご案内-新宿歴史博物館|常設展示解説シート(13) 中世の新宿.pdf』
雑踏の中[A17]新宿駅西口方面にメトロプロムナードを進んで行きます。
途中にはモニターの柱や巨大広告が並んでいます。
<[A17]出口>
地下の定義
[A17]を抜けると、新宿駅の西口ロータリーに出ました。
ロータリーは吹き抜けとなっており、地下にいながら空を拝むことができます。
さて、ロータリーを横目に「新宿副都心4号路地下道」の北側を都庁方面に進んで行きます。
「新宿副都心4号路地下道」入り口には、新宿の目のパブリックアート。
<新宿の目>
動く歩道は、一方通行で通れないため、歩いていきます。
正面に地上の光が見えて来ますが、この先は地上なので、手前にある「新宿センタービル」へ入って行きます。
<新宿副都心4号路地下道>
新宿センタービルの中庭にしっかり日差しが入り込んでいますが、こちらも地下の空間です。
<新宿センタービル 水の広場>
ちなみに、ここはかつての淀橋浄水場の跡地。
https://www.city.shinjuku.lg.jp/kusei/toshikei01_000001_00048.html
『西新宿地区のまちづくり-第1回西新宿地区再整備方針検討委員会|資料3 西新宿地区の成り立ち〔PDF形式:14MB〕』
淀橋は神田川にかかる橋名由来の地名で、更にさかのぼると、この辺りは角筈(つのはず)と呼ばれていたそう。
レンガ調の素敵な通りを抜けると、再び空を仰ぐことが出来ます。
ここは本当に地下なのかと怪しくなりますが、フロアマップ上は地下のくくりのようです。
<新宿センタービルの外階段(別の日)>
下に下る階段を降りて「野村ビル」へ。
<野村ビル>
外じゃん……植栽が活き活きとしています。
しかし、ここも地下なんです。
野村ビル内の「RESTAURANT&SHOPS」を抜けて「地下鉄丸の内線 西新宿駅」を目指します。
謎のアート
エスカレーターを上がると長い直線通路に接続します。通称タイムズアベニュー。
タイムズアベニューを「地下鉄丸の内線 西新宿駅」方面に進んでいきます。
<タイムズアベニュー・丸の内線地下通路>
「地下鉄丸の内線 西新宿駅」の手前までやってくると、左手に天井が緑の下り階段があります。この階段を降りていきます。
<タイムズアベニュー・西新宿駅手前>
動く歩道がありますが、残念ながら止まっていました。
<西新宿駅手前・階段下>
天井がところどころ斜めになっているのは何か理由があるのでしょうか?結露対策とか?
しばらく歩いて行くと、円形に並んだ段違いの丸い石。
<都庁北交差点地下広場>
天井は一部が鏡面上になっており、電飾がランダムに配置されています。
行き違いの円滑化と、休憩場所を兼ね、尚且つ長居させないためのアート的な工業デザイン、いわゆる排除アートというやつなのでしょうか?
あまり落ち着けそうな場所では無いため、足早に進んで行きます。
途中途中の柱に据え付けられた謎の山も気になります……
都庁方面に進んで行くと、階段・エスカレーターを上がったところに今度は赤い円筒状のモニュメント。
<タイムズアベニューの赤いモニュメント>
これも排除アート?
ともあれ目立つので、次に来た時もここを目印にすれば迷わなさそうです。
すぐ先に分岐がありますが、ここは右側に下っていきます。
あとは[A5]新宿中央公園に向かうだけです!
案内に沿って曲がっていくと……
<A5出口>
新宿中央公園に着きました!
<新宿中央公園>
淀橋浄水場時代は、広場の中央まで浄水場で、その先は小西六写真工業(現、コニカミノルタ)の工場でした。
そして振り向くと東京都庁!
<都庁第一本庁舎>
壮観です。
本当は都庁の下もくぐって最長としたかったんですが、都庁第一本庁社に面する、都庁通りの標高が周囲よりも5mほど低く、地下と言えない空間になっているんです。もしそれが地下であれば、地下に歩行者信号機のある面白空間になって、あと800mくらい稼げたのですが、残念……
ちなみに、今回のルートの地下定義は建築基準法の地階の定義を参考にしています。
地階 床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの三分の一以上のものをいう。
『建築基準法施行令第1条第2号』
ほかの定義にあてはめたり、淀橋浄水場ができる1898年より前まで遡れば地下と言えなくもないかもしれません。
新宿を満喫するには寛大な心を持つことが必要なのかもしれませんね。